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Excel365 新関数活用事例
LAMBDA関数の活用で、取引先毎に異なる注文書様式を利用者自身で追加可能に
システム化の最後の難関となったランニングコスト問題 M社の業務内容 M社は国内メーカーと海...
Excel専門|マクロ+システム開発で業務改善
背景 | 大量の請求書を紙で送付する無駄を排除するため、電子化。その閲覧環境に「楽々明細」サービスを採用。 |
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課題 | 「楽々明細」側が予め用意した様式であれば、データを渡すだけでよいが、料金プランにより明細がまちまちのため、自社様式を使う必要があった。この場合、ZIP化して渡す必要がある。 |
効果 | 新規様式が追加になっても、ZIP化して渡すだけで楽々明細に対応可能になった。 |
G社の顧客は、法人・個人それぞれが様々なプランでサービスを利用するため、請求書の体裁がプランに応じて様々な様式となっています。
教科書的には、1つの様式に統一できればよいのですが、顧客にとっての見やすさ・わかりやすさを考え、プランごとの様式を維持する方針です。
早くから、こうした方針が決まっていたため、少しでも事務負担を軽くするため、「楽楽明細」というサービスを利用していました。
しかし、予め決められた様式で作成する場合はデータのみ登録すれば良かったのですが、G社のように相手先に応じた様式が数多くある場合は、請求書のファイルそのものを顧客単位でZIP化した上で登録する必要がありました。
ご相談戴いたときは、顧客数が急激に伸び始めた時期で、従前手作業で行っていたZIP化作業が破綻することが、容易に予見できたわけです。
もともとは、プラン数にも限りが有ったので、人手で顧客台帳を見ながらどの様式で作るかを切替えられたのですが、顧客数の増加だけでなく、プラン(=様式)も増えることが予想されます。
そうなると、ZIP化以前に、どの顧客がどの様式かを正確に処理する必要が生じます。
このように、将来に渡って業務を安定させるためには、「顧客数が増える」「様式も増える」前提で考えざるを得ません。
G社が提供するサービスは、当面ある範囲に収斂するため、請求書の様式が多いといっても、標準化は可能でした。
その上で、従前の作成手順を細かく分析し、必要な要素をデータベース化することで、「手順」として加工するのではなく、一気に加工できるような発想で業務設計を行いました。
こうした発想転換により、システム構造をシンプルにすることができたのです。
「標準化」とひと言で片付けてしまいがちですが、かなり広い範囲で効果を出すことができます。
G社の場合、その対象となったのは、請求書の体裁だけでなく、請求書を作成するための元になるデータ形式も含むことで、将来的に多少ビジネスモデルが変わった場合でも、構造を変えずに(=作り替えることなく)システムを活用できることを狙いました。
また、データの標準化を行ったことで、何か修正する場合も、あちこち修正しなければならない事態が回避され、一元的な顧客管理につながりました。
「楽楽明細」は、ラクス社が提供しているWebサービスです。
特定契約者単位で仕様を変更するわけには行かないので、基本的には決まったルールに従う必要があります。
そのための仕様書が、一般利用者にとっては専門的で読みづらいということでしたので、当社側で仕様を確認し、これに合わせてZIP化するロジックを作成、テスト運用も含めてサポートしました。
こうした一連の標準化に基づく「Exceシステム」を作りましたが、どうしても発生する例外事象に対しても、Excelファイルを開けて手修正を加えるだけという手軽さから、早期に業務として定着させることができました。
また、思いがけず早い時期に追加のプランが生じましたが、想定の範囲内だったため、軽めの対応で済みました。
他の方式でシステム化していた場合や、標準化を行わず場当たり的な対応を行っていた場合、こうした変更の都度、期間・費用がかかりますので、G社の例ではExcelによる当社のアプローチが奏功した例と自負しています。