- 製造
見積組み合わせを瞬時にシミュレーション ~ Excelで動かす、高速見積システム事例 ~
背景 K社は工場などで使う機械設備のメーカーです。複数機器の組み合わせにより、イニシャル+...
Excel専門|マクロ+システム開発で業務改善
業種 | |
---|---|
利用規模 | |
用途 | |
解決した問題 |
導入目的 | 有資格者の配置を考慮したシフト勤務表の調整を簡単に出来るようにしたい |
---|---|
課題 | 有資格者の配置ルールが頻繁に変更される |
効果 | シミュレーションで複数の解を得て、容易にシフト調整が可能になった |
F社の工場は、3交代制で24時間フル稼働しています。
工場は、ラインごとに必要な資格保持者が決まっており、有資格者がいなければ稼働させることができません。
この資格者は1種類とは限らないため、社員ごとに誰が何の資格を持っているかを把握した上で、シフト勤務表でも視覚化しています。
通常は月末に翌月分のシフト勤務表を作り上げてしまうのですが、急に休まなければならない人が出てきたり、資格取得(更新)のために講習会を受けるなどの理由で不定期で欠席する人がいるため、前日に細かい修正をしています。
働き方改革の影響もあり、夜勤を連続させないようにしたり、定期的に有給を消化させるなどのフォローが必要になってきたことから、従来以上に複雑なルールが生じています。
このため、日々細かい修正で済んでいた調整が、だんだん人手で行うのが限界となっていました。
これを自動的に再計算できないか、というお問い合わせです。
どの製造ラインにどの資格者が何人必要か、といった情報は予め整理されていました。
これをそのままロジック化すれば、自動的に計算ができるはず、と考えました。
それをExcelでやりたかったのは、機械的なロジックで調整できないケースが少なからずある(有資格者がどうしても足りない場合は、連続勤務ルールを無視して割り当てる必要がある等)ため、手で補正できるようにしておきたかったからです。
確かにロジックで置き換えることは可能でしたが、聞けばこのルールはちょくちょく変更されているそうです。
そうなると、いわゆるプログラミングでのロジックで作ってしまうと、ルールが変わる都度大きな修正が必要になります。
これでは、自動化する意味が半減してしまいます。
そこで、ボタンを押したら答えが出るような仕組みではなく、「条件を充足できる解は1つではない」という前提で、シミュレーション方式にすることを提案しました。
シミュレーションであれば、一定の条件を満たす解を提示した後、他の解が無いか繰り返し試すことができます。
さらに、Excelを画面として使うメリットとして、算出された解に対して人的に数値を入れ替える介入を行うことができ、しかもその結果を踏まえてその先の再シミュレーションが可能になる点が挙げられます。
例えば、ある日にどうしても有資格者が足りない場合、本来連続勤務限度を超えている人を割り当てて、代わりに他の日に振替休日を設定してしまえば、手で設定した以外のところのみ、再計算してくれるのです。
どうようのシミュレーションによる解法は、旅館のようなサービス業でも有効です。
例えば、予約状況や曜日による制約条件を設定しておき、それを踏まえて板前、仲居などの必要人数を算出し、誰が出勤するかを計算します。
ところが、どうしても板前が足りないとなった場合は、手作業で他の宿泊施設から人をアサインする設定ができるのです(ここはチェーンだったので、これができました)。