事例紹介

意外と知らない、システムの「バックアップ」とは何か
~ 目的・手段は様々、データだけではない、その対象 ~

バックアップ=ファイルのコピーにあらず

バックアップ 2つの概念

目的は、壊れた場合の補完

一般的に「バックアップ」というと、ファイルのバックアップをとる、といった使い方をするように、ファイルをコピーして、間違って書き込みをした場合に戻せるような運用を指すことが多いようです。

しかし、「リカバリ=元に戻せるための準備全般」がバックアップの範疇に含まれます。

 

概念1:壊れたら戻せるようにデータを待避する

本来のバックアップは、対象がファイルであれば、壊れて読み取れなくなった場合に、直近に退避しておいたものを流用できるようにしておくこととなります。

つまり、間違って書き込んだ内容を戻せるのが目的ではなく、使えなくなった場合の備え、なのです。

当然、対象はファイルだけではなく、ハードウェアも含めた概念となります。

例えば、Excelのファイルを共有するとよく壊れて開けなくなりますが、このような「ファイルが開けなくなった」だけでなく、HDDが故障で読み取れなくなった場合も、「壊れた」の部類に入ります。

本当に守らなければならない「契約情報」「取引先情報」「今進めている案件の状態」などは、地震で本社が倒壊しても別の場所に退避しておくような運用を行います。

一例を挙げれば、金融機関では、東日本に本社がある会社と西日本に本社がある会社が相互に、相手のデータを持ち合って、どちらかの地域が壊滅しても、1週間以内に復旧できる体制をとっています。

 

概念2:動かせる環境自体を確保する

地震で壊滅した場合に、金融機関では相手の軒先を借りる運用をしていますが、自前で複数の拠点を持つ方が例としては多いです。

例えば、クラウド型サービスの代表例であるMicrosoft社のAzureでは、地域ごとのデータセンター間でデータの相互融通をしているため、1カ所でハード故障が発生しても、他のセンターでバックアップしているので、復旧できます。

しかし、地域(リージョン)をまたがる場合、自分でバックアップの設定をする必要がありますが、それができる仕組み自体は用意されています。

このように、データだけバックアップしても、動かすための環境自体が無くなってしまうと、サービスを提供することができません。その環境には、動かすための人材も含まれます。

ハードウェアも人材も、セットでバックアップ環境を考えるのが、本来のバックアップとなります。

 

Excelシステムに、バックアップは必要?

Excelかどうかより、無くなった時の影響が重要

Excelなら影響が限られる!?

多くの職場では、現場の社員が創意工夫して作った便利ツールが数多く存在しています。もし、それが無くても、最悪人が行えば業務は回せる、というのであれば、バックアップを重視する必要性は薄れます。

逆に、その仕組みがないと時間が何倍もかかる、とか、やり方がわからないから人ではこなせないといった場合、存在しなければ業務自体止まってしまいます。

その仕組みがExcelであろうがAccessであろうがRPAであろうが、影響度が高ければバックアップなしに危機を乗り切ることはできません。

 

検討すべきは、バックアップのレベル

一口にバックアップといっても、マクロファイルを別のHDDにコピーしておけばよいのか、作られたデータも含めるべきか、はたまた実行環境に必要なデータベースサーバも予備を用意しておくか・・・のように、規模感によって対象範囲も様々です。

当社で手がけた例でいえば、管理会計のように基幹システムそのものの存在であれば、データベースサーバも複数に振り分ける設定を行いますし、当日の処理が終われば使い捨てでよいようなものであれば、バックアップそのものを不要とする、といった使い分けをしています。

継続的に業務を続けるために、どのようなバックアップが必要か、考え方に行き詰まるようでしたら、是非ご相談ください(基本的に無償です)。