道具としてのExcel活用

RPAはオワコン?Excel(VBA)は?

RPAはオワコン?

最近配信されたニュース記事で、こんな表現を見つけました。「オワコン」とは、終わってしまった古びたコンテンツ、の意味です。
どの時代でも、「これからは、○○○の時代だ!」と喧伝されるものがありますが、大抵は2~3年で次のコンテンツに移っていきます。
RPAも賞味期限が過ぎたから「オワコン」扱いされているようです。

 

 

RPAの課題と対策方針

当該記事を見ても「客観的に何が問題なのか」といった事には触れられておらず、「次はChatGPTだ」といった「ネクストコンテンツ」を探すような印象でしたが、RPA全てが駄目なはずはなく、要は使い方の問題でしょう。
以前の記事でも触れたので繰り返しとなりますが、RPAの一般的な課題としては、

  • 使える人が限定されるので、属人化が進む
  • 製品・OS等のバージョンアップの影響で、突然動かなくなることがある
  • 初期投資は低いが、ランニングコストが驚くほどかかるケースがある

が挙げられ、この結果運用が負担になってしまうのです。
複雑さを回避してシンプルなRPAを中心に、業務をRPAに合わせていけば、運用も標準化できるはずです。
RPA運用で行き詰まった現場を見ていると、多くのケースで「現状の業務手順をそのまま再現」していますが、そうではなくRPA的に解釈を変えてやる必要があるのです。
また運用面でも、動作が失敗したときに検出するしくみがないと、気づかずに1ヶ月も放置していたというようなことになってしまいます。
失敗しない前提ではなく、何があってもリカバリできる視点が必要です。

 

次の解決策はChatGPT?

最近なにかと話題なのが、2022年11月に発表された「ChatGPT」と呼ばれる人工知能(AI)です。
驚くほど急速に広範囲な普及を見せており、実はExcelに文章を入れると、回答を別のセルに受け取るような使い方もできます。
しかしChatGTPを使えば、RPAの問題は解決されるかと言えば、そもそもRPAとは全く異なる性質のものである為、ChatGPTを使用して業務の自動化が出来るわけではありません。
一方でChatGPTに上手にお願いをすると簡単なプログラムくらいは書いてくれますので、自動化を進める際のアドバイザーのような使い方はいいかもしれませんが、自分自身がよくわかっていないものをコピペするだけで作り上げた処理は、メンテナンスが出来なくて運用していくうちに破綻します。

実際にChatGPTに回答してもらった例

 

Excelもオワコン?

RPA以上に古いのがExcelです。何しろ1986年にMacintoshコンピュータ用に誕生以来、そろそろ40年経とうというロートルです。

当社はこのExcelを活用して業務を効率化することを生業としていますが、メディアが言うほど「オワコン」という印象はなく、寧ろユーザーサイドの使い方が高度化しつつあり、最近ではRPAをExcelでリプレースして、より柔軟な運用を実現したいといったニーズも増えてきています。
「さようならExcel、こんにちは○○○」といった論法がメディア上に溢れていますが、ExcelVBAも一般のプログラム言語同様に、プログラムするための言語です。
他の開発系でできることは大抵実現できます。
寧ろ、最近ではVBAを使うまでも無く、「API関数」のような新機能も出てきており、クラウド上のサービスとの連携が取りやすくなっています。
RPA的な使い方も実現しており、RPAより古い評価にはならないはずです。

いつまでも40年前と同じExcelだと思ったら大間違いで、APIもChatGPTも取り込むなどの進化をし続けており、ユーザ側の使い方次第でオワコンにもネクストコンテンツにもなりそうです。