事例紹介

Excelだからできた、戦略的「予実」管理
~ ただの比較じゃ意味が無い ~

背景 営業マンが予実データの登録に時間を取られ、本業が犠牲になっている。
方針 RPAのコストが想定外で、柔軟性にも不安があったこと、元々社員がExcelである程度のしくみを作っていたことから、Excel+マクロで高度化する方針に。
効果 全自動化は当然として、市場全体の売上データを取り込むことで、単に売上だけで無く、市場シェアも把握できるようになった。

予実管理のデータ登録が負担に

営業時間が犠牲になる本末転倒

P社はBtoBの消耗品を扱う販売会社です。

各営業マンは、次月の目標を製品群ごとに設定し、実績と比較することで目標達成度合いを把握し、目標と乖離がある場合は上長の指導の下、対策を練っていました。

ところが、予定数値の登録は個人ごとの目標のため手入力がやむを得ないとして、実績も後から長時間かけて手入力しています。

というのも、実績は基幹システムから出てくる様々なデータを組み合わせる必要があり、1つのデータからまとめてコピペするようなわけにはいかないのです。

このため、本来はより顧客とのコミュニケーションに時間を取りたいところ、実績値を登録するために長時間しばられるという矛盾が起きていました。

 

最初はRPAを検討したが・・・

最初に担当者が考えたのはRPAの導入でした。

しかし、導入コストが思いの外かかるだけでなく、ランニングコストも想定外だったこと、更に基幹システムからのデータで必要になるものが、割と頻繁に変わること・・・から、ロボット化しても変更に耐えられないとの結論に達しました。

もともと今の予実比較のしくみは、社内でExcelに詳しい社員が関数と式を駆使して作ってきたこともあり、改めてこれを拡張して、自動化を探る方針となりました。

 

Excelマクロなら自動化後もメンテできる

Excelのマクロを使えば、複数のファイルから特定の列のデータを抜いてくる加工は比較的容易に実現できます。

更に、現在複雑な関数を駆使しているため、1セル入力するたびに再計算が走り、入力にストレスを感じるようになっていましたが、極力これもマクロ化することで再計算を短縮し、「軽量化」しました。

これで、基幹システムとの連動が自動化され、実績を打ち込む必要がなくなり、基幹システムのデータが変わっても社内で調整できるようになりました。

 

予と実を比較する限界とは

ところで、所謂「予実管理」と呼ばれるしくみは数多く見てきましたが、大半が「予定に対して実績との乖離を見る」ことに主眼が置かれ、「その後どうする」は人が考えるシナリオになっています。

その際、考えるための判断根拠を提示できるようにしているケースは少ないのが実情です。

このため、市況が急速に悪化している場合などでも、「予定の半分にも達していない」という判断はできますが、同業他社も含めたマーケットが半分以下になっているなら、徒に数字を追い求めても徒労に終わることが多いのも事実です。

P社のシステムでは、外部のデータ提供会社から市場全体の売上データを購入し、これを織り込むことで「対市場」の比較もできるようにしています。製品群の考え方が社内基準と異なるため、これを修正できるしくみを別途用意することになりましたが、「対市場」で比較することで、単なる売上だけでなく、市場シェアを意識した行動ができるようになったのです。