課題解決 事例紹介

事例:ブラウザの操作を、Excelマクロで自動制御[2]・・・社内システムから、前月実績データを自動DL

事象 RPAなど、自動で操作を行う環境が普及してきたが、WindowsUpdateのあと止まる、WebPageのデザインが変わると動かない、と言った問題がある。
原因 RPAの動作原理は基本的に2種類。
1つは「決まった場所をクリックする」であり、もう1つは「ある画像パターンが一致した場所をクリック」のため、少しでも位置や表現が崩れると、正常に動かない。
対策 Windowsに追加の設定を加えて、一定のシステム処理を行うと、自動でブラウザの制御ができる。

社内基幹システム(イントラネット)から、実績データをダウンロード

IEを使った機能が、IEサポート中止により危機に直面

J社では、毎月基幹システムから利用実績データをダウンロードし、それを基に請求書を作成する業務を行っています。

この基幹システムは、サーバ上にプログラムがあり、個々の利用者は自分のパソコンからブラウザ(InternetExplorer)を使って操作するようになっています。

ところが、IE自体は最終バージョン11以降新しいバージョンがでておらず、Microsoft社からもブラウザを使う際には以後はEdge(エッジ)を使うようアナウンスされています。

そして、とうとうIE自体が使えなくなってしまうため、基幹システムそのものが利用できなくなる瀬戸際に追い込まれてしまいました。

せっかくVBAを使って自動化したのに…

実はこの社内システムからのダウンロード業務は、支店を指定し、期間(前月1日~末日)を指定し、ダウンロードするデータの種類を選択し・・・のように、事前に人が設定する要素が多いことから、手作業では半日ほどかかっていました。

最近になって、ExcelVBAを使ってブラウザをリモートコントロールするしくみを開発したことで、少なくとも自動運転ができるようになっていましたが、IEのサポート中止によりそれができなくなりました。

今更以前のように「手作業で半日」の世界には戻れません。

RPAを試験導入する

止まる日が続出

社内システム側では、近くIEではなくGoogleChromeに対応できるよう、対応が進められています。

それならば、いっそのこと最新のRPAを使ってブラウザ(GoogleChrome)を操作させれば、今まで同様に「自動的にダウンロード」ができるはず・・・

ということで、早速RPAの評価版を導入し、評価環境の新システムに対して毎日動かして様子を見たところ、途中で止まる日がかなりの確率で発生してしまうとのこと。

どうやら、WindowsUpdateの後、再LoginできていないケースでRPAが起動できない状態であることや、前後で画面の表示が若干変わるようなケースでRPAが誤動作していることが原因のようです。VBAからIEをコントロールしている頃には無かったことです。

Excelマクロ(VBA)を、RPAとして活用

ExcelVBAでブラウザ(Chrome)を操作

ブラウザから得た情報をExcelシート内に取得している例。

安定性を重視する業務では、こうしたRPAの動作不良が問題になります。

もともとIEがサポートされなくなった背景には、外部プログラムから不正な操作が可能な特徴を悪用されることを懸念がありましたが、基幹業務が止まるようでは逆に情報セキュリティが低下しており、本末転倒です。

そこで、発想を変えて、VBAからChromeをコントロールすることで、以前のIE同様に動かす方法を試みました。

※画面はイメージです

個別のコンピュータに様々な設定をする必要がありましたが、限定少人数での業務だったため、設定の手順書を整備した上で環境を構築し、ExcelVBAからChromeをコントロールし、表示された内容をそのままExcel側に取り込めるようにしました。

いまのところ、RPAよりも遙かに高速に、WindowsUpdateの影響も受けずに動いていますが、Chromeのバージョンアップに伴い、定期的なメンテナンスが必要です。

ショールームで、デモ実演中

こうしたシステムは、動いている処を見ないとなかなかイメージが湧かないと思います。

そこで、様々なブラウザ操作を通じてデータをDLするしくみについて、色々とデモをご覧戴ける環境を用意しました。内容によっては、Online会議で画面共有でも確認戴けます。

詳しくは、こちらをご参照下さい。