道具としてのExcel活用

脱エクセル化の理由を、ChatGPTに聞いてみた。驚きの結果とは。

Q:なぜ、脱エクセル化を図らなければならないか

いつの間にか登録しているメールマガジンで、最近多いテーマの1つに「脱エクセル」があります。

Excelを専門的に25年近く手がけてきた立場からすると、なんで??といったところですが、その理由についてまともに触れられたものがありません。

残念ながら、情報発信源(=メルマガ発行主体≒出版社等のメディア)からはその根拠の提示が見られませんでしたので、生成AI(人工知能)のChatGPTに手伝ってもらい、「脱エクセル」の根拠を探ってみました。

 

A:脱エクセル化を図らなければならない理由

お断り

回答を紹介する前に、1つお断りをしておきます。

ChatGPT等の生成人工知能は、機械学習という「経験からの学習」により高度化します。ネット情報から学習するということは、すなわちメディアから発信される情報を学習し、整理してくれる機能と見なせますので、鵜呑みにするのはどうかと思います。あまりに不自然な内容も多いので、要所々々で解説を入れながら、回答を見ていきたいと思います。

以下、■がChatGPTの回答、○が解説です。

 

ChatGPTの回答

  • 「脱エクセル化」を図る理由はいくつかあります。エクセルは非常に便利なツールですが、特定の状況や規模においては効率的な業務遂行やデータ管理に限界があるためです。以下に、脱エクセル化を推進する主な理由を挙げます。
  • ※総論としては、ごもっともなご意見です。

 

  • データの一貫性と正確性の確保:エクセルは手動入力が多いため、入力ミスや計算ミスが発生しやすいです。特に複数のユーザーが同時にデータを扱う場合、データの一貫性を維持するのが難しくなります。自動化されたデータベースや専用の業務管理システムを使用することで、データの整合性と正確性を高めることができます。
  • ※これは、他では手入力が少ないがExcelでは多い場合に成り立つ話であって、「専用の業務管理システム」であっても手入力をしなければならない点では同じはずです。言い換えれば、Excelで作っても、一度入力したものを使い回せるようにしておけば、入力ミスや計算ミスのリスクは同じになるはずですので、説明になっていません。

 

  • 共同作業の効率化:エクセルはリアルタイムでの共同編集が難しいことがあります。複数のユーザーが同時に編集する場合、データの競合やバージョン管理が複雑になります。クラウドベースのツールや専用のコラボレーションプラットフォームを使えば、リアルタイムでの共同作業が可能になり、効率が向上します。
  • ※「リアルタイムでの共同作業が難しい」そうですが、根拠として挙がっている「データの競合やバージョン管理が複雑になる」のはExcelが原因ではなく、設計や使い方の問題です。例えば、経理で同じ伝票を何人かが多重登録をしたり、取り消して新しく入力したはずが、両方残ってしまったケースなど、「クラウドベース」や「専用の業務管理システム」でも、いくらでもある話です。紙だけの運用でも、「リアルタイムでの共同作業」は実現できています。

 

  • スケーラビリティ:エクセルは小規模なデータセットには適していますが、大規模なデータセットや複雑なデータ分析には限界があります。処理速度が遅くなったり、ファイルが破損したりするリスクもあります。データベース管理システム(DBMS)やビッグデータ処理ツールを使用することで、大量のデータを効率的に管理・分析することができます。
  • ※小規模vs大規模の境がどこにあるかわかりませんが、請求書管理や販売管理といった程度のものは、Excelだけで十分管理できているので「小規模」なのでしょう。上場企業の基幹システムを全てExcelで作る、となれば、確かに大丈夫か?と聞きたくなりますが、大半のものはExcelでも大丈夫、ということなのでしょうか? 後半の「DBMS云々」については、Excelからそこに接続できるので、「脱エクセル」とは逆の説明になってしまっています。

 

  • セキュリティとアクセス管理:エクセルファイルはセキュリティが脆弱で、データの漏洩や不正アクセスのリスクがあります。特に機密情報を扱う場合は、適切なセキュリティ対策が必要です。専用の業務管理システムやクラウドサービスを利用することで、強固なセキュリティ対策やアクセス制御が可能になります。
  • ※ここで言う「セキュリティ」が何を指しているかわかりませんが、3つある定義のうち「機密性」限定と捉えます。読み取りパスワードが設定されたExcelファイルを開ける手段はほぼありませんし、シートの保護などを組み合わせれば更に高度化できますが、IDとパスワードだけで認証できるクラウドサービスに比べて脆弱なのでしょうか?(2段階認証としてスマホにSMSを送ってくる方法を組み合わせる方向になりつつありますが、第三者がSMSを参照できるので、効果はおまじない程度でしょう)。一方で、サーバダウンで機能が停止し、一部店舗が閉店を余儀なくされたハンバーガーチェーンの例に見られるように、クラウド系のシステムでは「可用性」が問題視されることが少なくありません。サービス提供会社が無くなったてデータにアクセスができなくなることも想定しておくべきでしょう。つまり、Excelは「セキュリティが脆弱説」については、Excelを多少使っていれば当然知っている機能を知らないで述べられており、機密性以外の要素を無視した論法、となります。

castanet データベース、テーブル名設定

 

  • 自動化と効率化:エクセルでの手作業によるデータ処理や分析は時間と労力を要します。自動化されたワークフローやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入することで、効率化が図れます。ERP(エンタープライズリソースプランニング)システムやCRM(顧客関係管理)システムを使用することで、業務プロセス全体の自動化が進み、生産性が向上します。
  • 何ら加工されていない空のExcelシートと、「自動化された」他環境の比較になっていますね。そもそもワークフローやRPAでデータ分析ができるとは、知りませんでした。自動化されたエクセルと比較した場合、どうなんでしょうか? ERPは導入に億単位の費用がかかるものですが、自転車とダンプトラックを比較するようなもので、コストも桁違いなら、利用目的も違えば運用方法も違うはずなので、説明になっていません。この論法に従えば、「乗用車は荷物も人も多く詰めないが、船なら一度に大量の貨客を運べるので、脱乗用車すべき」ということになってしまいます。参考までに、以下はExcelで実現したワークフローシステムの説明図です。

概要図

 

結論:脱エクセル化説には、根拠がない

ネット上の多くの言論を集約したであろうChatGPTの回答によると、脱エクセル化説の根拠は事実無根なものが多く、比較対象も恣意的に選択されたものが目立ちました。ほとんどプロパガンダといえる内容です。

RPAにしても、場当たり的に開発を進めた結果、属人化(または属"RPA"化)したり、セキュリティが低下したり、という結果に至りますから、要は使い方の問題であって、道具のせいにしてはいけない、という結論に至りました。

今現在、Excelを業務に活用している方は、是非ご安心ください。

※他にも、初年度利用料とフルスペックハードウェアのコストを比較した「脱オンプレミス説」などもあるので、注意が必要です

 

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