道具としてのExcel活用

新しいMicrosoftのRPA(Power Automate Desktop)が、
意外と使えそうな理由(Excelも操作できる)

今までのRPAが苦手だった分野を、カバー

Microsoft社が提供するRPAは、以前から試用していたのですが、2020/9/23になって突然新しいメニューが表示されるようになりました。

その名も「Power Automate Desktop」。従前から「Power Automate Desktop app」と「Power Automate Web app」があったのですが、それとは別に新登場したものです。従来のサービスは、名称が変更されたようです。

Power Automate Desktop 画面イメージ

 

従来の「Power Automate Desktop app」だとできることが非常に限られていましたが、新しい「Power Automate Desktop」のメニューを試して見ると、任意のアプリケーションを起動したり、スクリプトを実行したりと、Windowsでできるかなり広範囲の事ができるようになりました。

Power Automate Desktop 画面イメージ

実際に作ってみたところ、懐かしいDosコマンドなどもサポートされており、活用範囲が広がりそうです。

Power Automate Desktop 画面イメージ

 

なんと「Excel」メニューが!

私たちの立場で一番嬉しいのは、「Excel」メニューができたことです。

Power Automate Desktop 画面イメージ (Excel関連)

この他、ファイル操作なども広範囲でできるようになったので、Power Automate Desktopから社内システム(イントラ)にブラウザで接続し、日付範囲を指定してデータをダウンロードしてから、Excelを開いて読み込んで、マクロで集計加工してから、指定のフォルダに別名で保存する、といった流れが実現できました。

これまで、「Excelなんかもう止めて、これからの時代はRPAだ!」的な空気に押されて、よく分からないけどRPAを導入すればなんとかなる、的な失敗による後始末のご相談を受けていましたが、「全てRPA」「全てExcel」である必要は無く、適宜組み合わせれば良いと常々考えていたところ、こうしてRPAのメニュー内に独立した「Excel」メニューが出てきたことで、ようやく実用的なRPAになってきたのではないかと予感しているところです。

 

運用の工夫がしやすくなったRPA

大手調査会社のガートナー社の調べによると、RPAは既に幻滅期に入った、のだそうです。

利用者が一方的にRPAなら何でもできると思い込んだ挙げ句「幻滅」したのだとすれば、RPAが少々気の毒ではありますが、推進体制が整備されつつあるとも報告されていますので、失敗しながらも使い方がこなれてきている時期なのでしょう。

Microsoft社が満を期して発表したPower Automate Desktopといえども、決して「誰でも導入すれば成功する」ものではありませんが、業務設計をしなおし、推進体制を整備して標準化を進め・・・といった運用の工夫がしやすくなっているのが大きな特徴と言えそうです。

まずは社内用にいくつかのExcelを組み合わせた実用的な事例を積み上げて、早期にお客様に提供できるようにしたいと思います。