課題解決 事例紹介

大量の温湿度データを自動保存・共有・Excelで分析

事象 複数台の温湿度計データ取得を、手作業で行う負担を何とかしたい。
対策 無線対応のデータロガーを活用。もしくは、定期的に取得したデータを自動で吸い上げるしくみを活用し、Excelファイル等に自動保存。
対応結果 5分ごとのデータがリアルタイムで記録できるように。温度/湿度の比較検証もExcelグラフで直感的に実現。

大量の温度・湿度データを、手作業で保存・管理?

温度・湿度データの長期記録運用の課題

当社の主要顧客層の1つに、建設コンサルタント業界があります。

その業務の1つに各種アセスメントがありますが、わかりやすくまとめると、長期間何かを計測して影響の有無を計るというものです。

計測対象の1つに温度・湿度がありますが、従前は「おんどとり」や「RC-4HC」のような”温湿度ロガー”と呼ばれる機器を設置して定期的にデータを収集し、Excelで分析していました。

これがなかなか面倒な作業で、台数が多いと思いがけないトラブルに巻き込まれます。

たとえば・・・

  1. 電池切れで計測が途切れていたが気付かなかった
  2. 使っている内に個体間で時刻がずれてしまい、単純に比較できなくなった
  3. 台数が多かったり場所が離れていると、全データを回収するのに1週間かかる
  4.   :

といった具合です。

建設コンサルタント業界以外でも、住宅関連メーカーや物流業などで、同様の課題を抱えています。

 

手作業で対応する場合

もともと少ない台数の頃は手作業で十分対応できていたのですが、台数が増えるに連れて負担が増してきます。

どのようにしていたかというと・・・

  1. 電池は定期的に一斉交換する
  2. 電池交換のタイミングで時計を合わせる
  3. それでも時刻がずれる場合は、手でデータファイルを補正する
  4. データファイルの先頭には機器情報等があるので、複数期間(ファイル)を統合するには手作業で削除する
  5. 必要なデータを探してExcelのグラフシートに張り付けて分析する
  6.    :

のように、電池の問題はどうやっても他に解決方法はなさそうですが、手作業が多すぎます。

こうしたニーズをまとめると「時刻がずれても自動で補正し、USBに差込んでデータファイルをコピーするのを自動化し、条件に応じて必要なデータをExcelでグラフ化して分析できる環境が欲しい」ということになります。

 

完全自動化のための対策案

前述の「定期的に電池交換」はせいぜい年に1回ですから、これをコンセントやソーラー電池から給電することもできるとはいえ、費用対効果は低そうです。

次の「時計の時刻合わせ」も、自動補正をしなくても近似するよう、定期的に合わせて置いた方がよさそうです(長く使っていると分単位でずれてきます)。

あとは、「パソコンのUSBポートに差して、データをファイルとして保存」については、これを自動化するというより、無線で繋がる方式のものを活用した方が良さそうです。

当社では「SwitchBot 温湿度計」を活用してExcelファイルに記録していますが、1つ¥2,000もしないので、大量にリプレースしても大きな費用負担にはなりません。

※ネットワーク機器は別途必要です

他に、従前からロングセラーの「おんどとり」シリーズでも無線対応版があります。

無線で繋がると、

  1. スマホやパソコンからリアルタイムで今の温湿度が確認できる
  2. わざわざ行かなくても、設定した間隔でデータを自動的に保存できる
  3. 保存先をクラウドにすることで、場所に依存せず利用が可能になる
  4. 更に保存先をデータベースにすると、集計の手間が省ける

・・・ようになります。

 

データの補正、異機種混在、データ一元化・・・

当社の手がける案件では、ログデータの加工ニーズが一定数あります。

このため、温湿度データも含めて様々な課題に応えられるような”部品”としてのしくみを持っています。

これを使うと、

  1. 個々の計測器の時刻のずれを、自動的に補正できる
  2. 非無線型の旧来機種が混在しても、同等にデータを集計できる
  3. データベースに保存すれば、様々な機種が混在しても一元的に分析できる

・・・といったメリットが生まれ、生産性が劇的に向上します。

温湿度データなどの取得ツール

 

対応結果

自動で温湿度データ保存

よく「スマホから今の温度・湿度が確認できます」というしくみがありますが、要するにネット経由でデータを取得する手段があるということになります。

これを使って、スマホで「見る」だけでなく、データを保存し、二次活用することもできます。

例えば、OneDrive上のExcelファイルに自動的に保存する、クラウド上のデータベース(Azure等)に保存する、といった事が可能です。

このように「ファイルとして自動保存」するために、当社ではMicrosoft PowerAutomateのしくみを活用しています。

「どこからデータを取得するか」を定義しておくと、「どこに保存する」を切替えるだけで、Excelファイルでもデータベースでも、保存ができるようになります。

また、一定の閾値を超えたらメールやSNSで通知する、といったことも可能です。

 

分析の自由度

複数の温湿度ロガーを使って温度湿度のデータを取得する場合、目的は「位置による違いの検出」にあります。

言い換えると、「同じような場所」「同じような高さ」・・・の計測器データについて、同時刻間にどのような差違が生じるかを比較するニーズが多いです。

そこで、データそのものはデータベースに一元化し、必要なデータを属性に応じてExcel上に呼び出す方式をとっています。

 

また、グラフ加工は2軸(温度・湿度)で様々な条件をしていして取捨選択しながら、比較できるようになっています。

 

結論:Excelは使いやすいBIツール

暫く前に「BIツール」というものが流行りました(今でもあります)。

様々な大量データ(ビッグデータ)を分析し、マーケティングや研究開発に活用しようとするものでしたが、なぜかわが国ではぱっとせず、ブームは去ってしまった感があります。

しかし、本来BIでやろうとしていた分析とは、大量のデータの中から、様々な属性のものを組み合わせて、比較して、特徴らしきものを発見し、その仮説の裏付けをとるための手段であったはずです。

それなら、日頃から使い慣れているツールが一番手に馴染んでおり、生産性も高いはずです。

こうした視点から、当社ではBIブームに乗ることはせず、あくまでExcelで分析できる環境を探ってきましたが、今のところ少なからぬ分析部門・研究開発などの分野で、Excelによるデータ分析システムが活用されています。

 

歩留向上や不良分析でも活用

なお、同様の考え方で実装した例としては、製造装置から出力されるLogデータを視覚化して歩留まりの向上の分析に使った例や、不良品が発生した際に上流工程までLot単位で遡って加工結果を分析するシステムなどにも応用されています。

自社で保有するデータの有効活用をご検討でしたら、匿名・無料でご相談に対応しています。