お客様の声

Webサーバから実行するExcel勤怠管理システム

ご担当者様

JFEビジネスサポート横浜株式会社は、JFEエンジニアリングのグループ会社として、エンジニアリング事業の”ものづくり”を支える総合サービス会社で、ITサポート、オフィスサポート、人材派遣、印刷物や展示物のデザインを行うクリエイティブ関連など、各種サービスをご提供されている企業です。

今回お取引戴いたデジタルサポート本部では、グループ会社の業務をIT面からサポートしています。

これまで、小回りが効くこともあり、ExcelVBAを使ったシステム提供を多数手がけていましたが、増加する課題解決への対応方針として、RPAにも力を注ぐことになりましたが、RPAだけでは解決が難しい課題があるのが悩ましいところです。

 

対象となった業務の概要について、ざっくりとご説明戴けませんか?

対象となるのは、グループ会社において、社員の勤務実績を基に承認~給与計算システム向けのデータを作成する業務です。
また、付帯的にこれらのデータを使って、工数単位での原価計算に役立てようとしています。
工場での勤務が対象となるため、夜勤や休出に関するルールが多く、従来このチェックと修正に多くの時間を取られており、チェック漏れのリスクに晒されていました。
超過労働時間の規正や年休消化に関する法律等も変わり、今まで以上に厳密に運用するためには、改めてルールを明確にした上で属人化防止の観点からもシステム化が求められていました。

給与計算であれば、パッケージソフトでもできそうですが、敢えてゼロからオーダーメイドで開発したのは、どうしてでしょうか?

当該社では、各社員が自分のパソコンの電源をオン/オフするとその記録(誰が・いつ)が残るしくみを取り入れています。自主申告の勤務開始~終了時刻のチェックのためにこのデータを使いたかったのですが、市販ソフトではそうした機能は見当たりませんでした。

また、チェックを要する一連のルールが当該社の就業規則に密接に関わりますが、これがかなり複雑なため、市販ソフトで表現できなかったことから、オーダーメイド方針となりました。

自社用のシステムをゼロから構築すること自体よくあることですが、今回開発のプラットフォームにExcelが採用されました。一般的にはJavaやC++といったプログラム言語が採用されることが多いなか、敢えてExcelによるシステム化を選択した理由をお聞かせください。

当該社の社員は平均年齢が高く、また元来紙ベースで作業を行っていた人事部署でも利用することから、いかに使って貰えるかが重要な課題でした。
このため、いかにもコンピュータ然としたシステムでは拒絶反応が起こる懸念がありましたが、そうした中でも日常的にExcelだけは使っており、慣れ親しみやすい環境にあったことが大きいです。

今回開発対象となったシステムは、一言でいうとどのような特徴をもったものですか

Excelで運用するとなると、ファイルを各人に配布するイメージが強いと思いますが、今回はWebサーバに登録されたExcelファイルを、全員が共有する運用に特徴があります。こうなると、通常のExcelの様に「ファイルを保存する」事ができませんので、データ部分は別途データベース(SQL Server)に格納することで、機能とデータを完全に分離しています。バージョンアップ時にも、全利用者が一斉に最新版の機能を使え、データ移行も必要がなくなります。
また、一般利用者と管理者、人事部担当者など、利用する人の権限により使える機能が変わりますが、これをAD(ActiveDirectory)のしくみで自動判定しているのも、Excelらしからぬところです。

貴社ではもともとVBAを使った社内・グループ会社内のソリューションを提供していたと伺っています。 にも関わらず、自社開発ではなく、外部の開発ベンダーにExcelシステムの開発を依頼したのは、どのような背景があったのでしょうか。

最大の理由としては、当社の開発者不足です。
全社的に働き方改革に沿って、時間の創出に重みを置いた対応に移行している流れに合わせ、当社ではRPA(Robotic Process Automation)を中心に行う部門が新設されました。
このRPA部門に従来のシステム構築部隊の過半が移ってしまったことの影響が大きかったのです。
当社は元々システムの多くにExcelとVBAの組合わせを取り入れていましたが、調整に時間がかかる複雑なシステムになりがちです。社内的にはそれよりも、RPAでの対応ニーズに応える必要が出てきたため、従来の複雑なシステムは外部に委託する方向で探っていたのです。

初めての外注と伺いましたが、開発プロジェクトはスムーズに進行しましたか?

当初から仕様の変更など想定して、スケジュールにはある程度余裕をもっていましたが、実際にはそれを上回る変更/追加があったりして、大変苦労しました。
外部設計書などのドキュメントを作成して仕様を見える化し、それらを基にお客様との調整をしながら理解を得て戴き、結果的に無事納期内に収めることができました。

仕様の変更以外にも、苦労された事はありましたか?

ちょうど発生したコロナ禍の影響で、在宅勤務を強いられることとなりました。このため、新システムの運用がリモート接続前提となり、ネットワーク環境の確認や連携するシステムの調整で大童でした。
また、お客様側でも、自社の社内規定を踏まえた上で要件としての妥当性を検証し、想定される各種勤務形態に対応できる形にすることが求められたため、(お客様、開発ベンダー、自社の)三者間の調整が大変でした。

ところで、Excelで開発を外注する場合、クラウドワーカーに安く頼むという選択肢もあった中で、クレッシェンドをパートナーに選んで戴いた理由は何でしょう?

ネットでExcelの開発を委託できるところを探していた中で、御社のサイトに掲載されている社長のコメント(「Excelで業務改善」へのこだわり)を見つけ、問題解決に対する思いが自分の考えている方針と同じだったのが決め手となりました。
それから、やはり数多くのシステムを手がけた実績です。特に弊社でもよく利用しているデータベース(DB)との連携システムの実績が豊富だったのも、安心材料でした。

新システムの運用が開始されてしばらくたちますが、開発期間を振り返って、当社の評価についてお聞かせ下さい。

初回ヒアリングから見積を提出するまでの迅速さ、また仕様変更に当たっても当社で考えていなかった対応方法などを提案して貰えたのは評価しています。
また、開発期間を通じて、仕様の確認や要望のやりとりについて、Excelで標準化されたコミュニケーションツールを用いて認識の齟齬が生じないように工夫がされていました。
当初は一連の流れが解らないところもあって不安もありましたが、今こうして運用が始まると、信頼をもって、今後も新しい案件をお願いしたいと評価しています。

高評価を戴き、ありがとうございます。 最後に、今後の吉田様の部門の展望をお聞かせ下さい。

当グループでは、主に自社含め、親会社、グループ会社向けに、RPA(UiPath、BizRobo!)とExcelVBAによる、業務の効率化、自動化を行っております。
その中に、単純ルールでRPAにすぐ移行できるものも多い一方で、ある程度複雑なルールをシステム的に構築する必要な案件もあります。
また、Office365関連の自動化も、今後要望が増えるのではないかと予想しています。
こうしたことから、今後の展望としては、Excelとの親和性が高いRPAであるPowerAutomateの活用も考えています。
さらに、Office365で利用可能なツール群を活用することで、例えばタスク管理機能を使ってタスクの自動登録など機能を使って、様々なニーズに応えられるのではないかと思っております。

ありがとうございました。引き続き、今後ともよろしくお願いいたします。