お客様の声
東急建設は、東急グループの一員として、多摩田園都市をはじめとする渋谷や東急沿線の街づくりに実績を持つ、総合建設会社です。
今回お取引戴いた不動産事業部では、総合建設業の特性を活かして、収益不動産の取得及び賃貸事業等を行っています。
こうした事業を行う中で、取得後の不動産の収益性を評価するためのシステムをExcelで運用していましたが、全面的に作り替えることになり、当社がお手伝いさせて戴きました。
対象となった業務の概要について、ざっくりとご説明戴けませんか?
今回開発対象となった業務は、弊社で収益不動産を取得する前に、対象不動産の収益性を検証する業務になります。
いくらで購入して年間どのくらいの運用コストをかけて、何年後に売却するとどうなるか、といった収支をできるだけ厳密に検証しています。
元々、社員の方が作ったExcelのシステムがあったそうですが?
はい、社内で作った同じ目的のExcelの既存システムがありました。
しかし、既存のシステムでは、セルの参照先間違いや計算式の誤りといったエラーがあることが分かっていました。
また、自由にいじれるようにしたためか、過去に取得した不動産について再検証をしたところ、取得時に検証した収支と異なる結果になることを発見したことがありました。
小さなミスではありますが、このような誤りが2度続いていたため、まだ瑕疵の潜在可能性を否定できず、今後の収支検証を行う際にも更なる支障が生じる可能性があることを懸念して、根本的に再発防止を図る必要を感じたのです。
新システムでは、こうした既存版の反省を踏まえて、まず式の誤りを正し、誤操作等によるエラーが出ないような構造にした上で、使い勝手を向上させつつ、内部構造を標準化することで、柔軟で中長期的に運用しやすいシステムを目指しました。
そうした不具合を経験した後だと、「次はExcelは止めよう」となることが多いのですが、今回はまたExcelで新システム化方針となりました。どんな理由でしょうか?
まず、収支検証では各担当者で異った設定や表現を行うニーズがあったため、比較的柔軟に変更が可能である必要がありました。
また、もともとExcelにて収支検証を行っていて慣れていたたことや、軽快に動作するので担当者側が収支検証を行う際にストレスにならないことも大きいです。
それに、Excelであればファイル間のデータのやり取り、保管、コピー等が容易ですし、使い慣れている分操作性も快適に感じていました。
こうしたことを総合的に鑑み、引き続きExcelをベースとしたシステムが適していると判断したのです。
そもそも、弊社の投資戦略は社会経済情勢の変化に伴い時々見直しをしているのですが、戦略の改定に対応するためには、収支計算システムもその都度変更をしていく必要があります。
そのためには、将来に渡って改良改善が容易であることが求められています。
これまでもExcelを用いていたので分かったことですが、Excelでシステム化を図ると、弊社のような事業形態に適していると感じました。
なるほど、長年運用していたからこそ、中長期での変更のしやすさを重視されていたわけですね。
ところで、新システム化によって、効果はでましたか?
はい。
まず、入力方式が大きく改善されたことに伴い、入力ミスによる手戻りがほぼ無くなりました。
収支結果を確認する立場の者からしても、入力保護機能や規制セルの可視化によって、入力数値に対して安心感を持てるようになり、検証作業の時間が短縮できました。
また、旧バージョンでは、各自が様々なカスタマイズができていたこともあって担当毎で統一感がありませんでしたが、新システム化によってカスタマイズしなくても設定で変更できるようにしたため、標準化が実現できました。
これまで、当該業務にかかっていた時間は、概算での収支検証の際で2~3回程度の入力ミスによる手戻りがありましたが、これが新システムでは0~1回で済むようになりました。
ところで、新システムを作るにあたっては、すんなりと進みましたか?
それが、元々同様のシステムを運用していたとはいえ、構造が複雑になったり、各社員が自由にカスタマイズしていたりで、統一仕様にするのが大変でした。
例えば、レントロールといって貸出の区分別に契約条件を一覧表上にしたものがありますが、従前は条件設定を行う場合に複雑な操作が必要になっており、それを新システム向けに簡略化するのと、元々あったエラーを修正する段階で時間を食ってしまいました。
また、従前のシステムは担当者が自由に変更できるため、ある意味「柔軟」なシステムでしたが、この利便性をできるだけ損なわずに、式が壊れたり標準化が損なわれる事態を回避するかの検討で苦労しました。
それに、今使い慣れている人だけで無く、これから初めて使う新人や外部の第三者にとっても、なるべくわかりやすいシステムにするためにどうすればよいかで試行錯誤しました。
こうした点を踏まえて、新システムで従来抱えていた課題が解決できるか確認しながら進めていたので、意外と時間がかかってしまいました。
元々使っていた版のメリットは犠牲にしたく無い一方で、それが諸問題の原因にもつながっていたわけですから、難しいですね。
そんな難しい課題解決のパートナーに、当社を選んで戴いた理由を教えて下さい。
自社で作成した既存版の収支計算システムでエラーが続いて発生していたため、再発防止策の一つとして、開発を外部に委託し、検証と改良改善を徹底的に行うことが必要でした。
それを踏まえて、Exce開発を得意とする会社をいくつか選定し、実際の提案内容や実績から判断して、クレッシェンドさんに今回の作業を委託することと致しました。
提案内容を評価戴き、ありがとうございます。
結果として、当社の対応は、ご期待に添えるものでしたか?
はい。例えば、当初に素案イメージを作成頂けたことから、新システムのイメージがつかみやすかったのは良かったです。
そして、その素案をベースにして、気になる点や変更した点について多くのQAをやり取りさせて頂き、徐々に弊社のイメージするシステムへ作り替えていくことができました。
担当者の方の対応も、迅速でした。
また、一度こちらでお願いし反映頂いた内容であっても、実際に操作してみると、操作性が悪いと感じることもありました。
そういった場合でも、弊社の希望に沿って再修正頂けて、最終的には満足のいく内容に仕上げることができたと思います。
当該業務について、今後の展望をお聞かせ下さい
現在は通常の収益不動産を取得することを主な業務としてきたため、比較的に複雑な設定の要らない収支想定が可能なシステムで足りておりますが、社会経済環境の変化に伴い、投資戦略の観点で、より複雑な投資計画を想定する必要が生じてくると考えられます。
こういった変化に対応できるように保守していくことが必要であることを、中長期的な観点からは感じております。