道具としてのExcel活用

事例に学ぶ業務の標準化(2):営業事務の標準化例

「業務の標準化」とはどんなことか、具体例を通じて紹介します。

営業事務処理を標準化する

商材ごとに異なる見積を標準化する

営業部門からの問い合わせで圧倒的に多いのが、「見積を自動化したい」です。

そんなものは、品名と単価×数量を入れればすぐ出せるだろう、と思われるかも知れませんが、扱っている商材により、なかなかクセがあります。

 

見積書が複数様式必要な理由

私たちが買い物などで利用する小売店では、1個買おうが100個買おうが、単価は同じです。

しかし、資材系の商材では、「100個までなら単価は100円だが、それ以上になると90円」のような「単価見積」があります。

また、BtoBの商談では、値引きが発生することが半ば常識となっており、これを表示させて計算に組み入れる必要があります。

更に、見積は1回で終わらないケースが多く、特に工事・建設系の企業では、ある程度長期間に渡る契約であることから、途中で追加・変更が入ります。

このように、単純に単価×数量では表現できないものも多く、荷姿が異なる(液体/固体など)と表現方法が変わる場合など、実に様々なバリエーションが存在します。

 

標準化の視点

見積業務の標準化は、現状取り扱っている見積書のバリエーションを元に、互換性を探るところから始まります。

このとき、全ての見積書を標準化しようとしないことが肝心です。年に何度あるか分からないような特殊なケースのために、全体の標準化が影響を受けては本末転倒なので、標準化可能グループとその他グループに分けるとよいでしょう。

そもそも、見積書の目的が、相手に提供すべきものとその対価を知らせる事である以上、見た目はともかく内容的には同様の内容のはずです。

このため多くの場合、見積書の構成要素としては、

  • 相手先情報(名称・部署・担当者)
  • 案件名
  • 発効日
  • 総額
  • 内訳(明細)

のようになるはずです。このうち、バリエーションが生じるのは、内訳です(内訳以外は統一しても良いはずです)。

内訳は、「商品名」「単位」「単価」「数量」「備考」などがあり、商品と単位によって単価を調べて登録しているケースが多いのではないでしょうか?

 

具体的な標準化実装例

「同じ商品でも単位が違うと単価が異なる」という話は良く聞きます。それなら、単位が違うものは別ものとして扱ってはどうでしょうか?

たとえば、商品ごとに商品コードを設定するとして、単位が違ったら異なるコードを付与します。

こうすると、vlookup関数で商品コードを元に単価を検索できます。

先の「単価見積」のようなケースでは、個数に応じて価格表シートの何列目を引用するかを可変にすればよいのです。

あとは値引きですが、これも商品名と同様に扱い、単価にマイナス金額を入れておけば、全体からの引き算が可能です。

この他、何度か改訂を行うケースなどの応用がありますが、作り方よりもどちらかと言えば運用上の課題となります。

 

手作業でも、DXは可能

「Excelでできる範囲の効率化など、たかが知れている」という印象があるようですが、標準化した上で活用すれば、下手にRPAなどを導入するよりも、遙かにシンプルな業務が実現でき、その分短時間化・省力化・低コスト化につながるのです。

 

請求書への応用

こうして作成した見積書ですが、最終版の金額がそのまま請求に回るはずです。

業界によっては、請求直前で値引き要請があるケースもありますが、その時は非公式な社内用の見積を作成すればよいのです。

相手先から請求書の様式が指定されているケースも少なくありませんが、請求総額、消費税、明細ごとの数量・金額など、ほぼ同じ内容になっているはずです。

相手から指定がなければ、見出しだけ「請求書」にすれば使い回せますし、相手先様式にしても表示位置が多少かわるだけで、同じ内容を式で参照するだけで表現できるケースが大半です。

つまり、転記するまでもなく、見積書がそのまま請求書になります。

本当にそんなことができるのか、一度見直して見て下さい。過去の例では、(多少ルールの複雑さはあるにせよ)この考え方でできなかったことは、まず有りませんでした。