道具としてのExcel活用

「業務改革」と「業務改善」は具体的に何が違う?

業務「改革」と「改善」の違いは、現状の延長か否か

「デジタル化」「DX」など、意味不明な単語が飛び交い、業務改革も業務改善も一緒くたにされています。
何となく分かったふりをして他社と同じことをしたところで、失敗するのは自明ではないでしょうか。
改革・改善の違いを一言で言えば、現状の延長とするかどうかなのですが、具体的に自分の言葉で説明できるようにしておけば、すぐに行動に移せるようになります。

 

1.業務改革

よくBPR(Business Process Re-engineering)の略とされているようですが、それでは単に業務手順の再構築に過ぎず、「改革」とは言えません。1993年に発売された「リエンジニアリング革命」という本が基になっていますが、言わんとすることは30年経っても古くなっていません。当時ベストセラーになっていたのですが、業務改革が普及しないところを見ると、本質的な理解が得られていない可能性があります。

ところで、再構築であれば、「Re-build」や「Re-structure」の方が自然で、何のことはない、本来の意味での「リストラ」ですが、単に「再構築」しただけでは「改革」になるはずがありません。業務改革を再構築のことだと思ってしまうと、本質が理解できなくなってしまいます。改革であれば、現状にとらわれることなく(敢えて否定する必要もなく)、本来あるべき目的に対して最適解を求めなければなりません。
DXも定義をよく見れば、「業務を変革すること」とありますから、「再構築」とは違います。
強いて充てるなら、Business Process Renovation(革新)でしょう。

2.業務改善

改善とは、現状を肯定した上で、改良していくことであり、新しい機材導入後の調整などに必要です。一種のチューニング(音楽において、音程を合わせること)といえるでしょう。同じやり方のまま「1つ1つの工程を3%短縮する」「コストを5%減らす」のが改善です。

 

しかし、ともすると、「ラインの速度を3%上げる」「売価を単純に5%下げる」といったお茶の濁し方に繋がりがちです。現場にしわ寄せが行き、不正検査などに繋がるのが、大抵改善を強いた結果です。
一度改革した後、新しい取り組みに対しては、一定期間「改善」しながら安定化させる必要はあります(現状を肯定)が、何十年もやってきたことを「改善」できる期待はほとんどありません。このように、改革(現状を無意識)と改善では、目的もやることも、大きく違いがあります。

3.改善より改革の方が簡単?

本田宗一郎(本田技研創業者)も言っている通り、「10%、20%の改善は難しいが、2倍、3倍の改善は簡単」です。
それは、既存の延長では不可能である以上、ゼロベースで考えざるを得なくなる、則ち「改革」となると制約が減る分、やりやすいと言うことです。
もっとも、改革の経験が無い人からすれば、今までと違ったことをやろうと言い出していること自体が「非常識」に見えるので、反対意見も多くでることでしょう。
本田宗一郎は、これに対して「不常識を非まじめにやれ」といっています。要するに、現状に囚われるな、ということです。

小学校卒の学歴ながら、アメリカの自動車殿堂入りする偉業を成し遂げた人の言うことだけに、説得力があります。

4.具体的にどうすればよいか

業務改善ではなく、業務改革をするためには、当該業務の目的を明確にする必要があります。
すなわち、
・特殊なオーダーに対して、短納期で対応できるようにする
・製造時のロスを極小化し、低価格化に繋げる
・月次決算を実現し、財務情報提供力を強化する
・・・といった具合です。手段は、その後考えれば良いのです。

当然、自分の部署だけでできることは限られているため、他の部署を巻き込む必要も生じるでしょう。ボトムアップで業務改革を行う場合、自分の部署でできる範囲は限られていますから、まずは自部署で「業務改善」をいくつか実現した上で、他部署への協力を求めると、うまくいきやすいです。
また、文明の利器を活用することで、人手に頼らず効果を高められるケースが多いのですが、「コンピュータのことはよくわからない」「マシニング加工とフライス加工の違いがわからない」といった、「道具の理解が不十分」が原因で進まないケースも少なくありません。そんな時は、外部のコンサルタントなどの協力を仰ぐことで、時間をお金で買うことができます。

このように、目的(目標)の設定が重要であり、次にそれを実施するための手段を検討する、という順番になります。また、一定の支出や部門間の調整が必要なため、本来業務改革は経営者の仕事であることがわかります。
多くの場合、もたもたしていると競合他社に出し抜かれかねないため、セミナーに行って講師の話を聞く暇があったら、小規模でいいから手始めに何か実践すること(知行合一)を推奨します。

どうしてもアイデアが出せない場合、第三者的な立場の人の意見を仰ぐのもよいでしょう。

5.ありがちな、間違ったアプローチに注意

業務改革と称して、全く逆のアプローチをしているのを、よく見かけます。
例えば、現状の業務フローの整備などは、住宅の建て替えにあたって古い間取り図を整備するようなもので、全く意味がありません(が、実によく見かけます)。

この他、「業務改革とは、現状を否定することだ」説もよく聞きますが、現状でも有効なものがあれば踏襲すべきであり、否定する必要は全くありません。

現状どうなっているかを意識する必要はなく、本来の目的に対してどうすれば最適解になるかに集中すべきです。

6.当社がお手伝いできること

当社が取り扱うのは「システムコンサルティング」と、「業務をシンプルにしてExcelで実現できるようにする」ことです。
システムといってもコンピュータに限らず、様々な要素を組み合わせて1つの目的を達成させるのが、本来のシステムです。つまり、様々な「道具」を目的に合わせてくみ上げて行くのが「システム」です。
当社は、小規模スタートから大規模拡張に繋げやすいよう、Excelを活用して試行錯誤できる手法に特長があり、過去約25年で1800件以上の導入実績を誇っています。リピート率が80%を超えていることから、一定の効果は出せているようです。特に上流工程と呼ばれる「要件定義(どの業務範囲をどのようにするか)」に特徴があります。
とりあえずどんな改革ができるのか、もしくは現構想の実現可否や方向性について迷ったら、匿名でも相談を受け付けているので、ご活用下さい。5~10分ほどで概要を伺い、おおまかな方針案程度は提示できます。本格的に調査を行う場合でも、1日あればある程度具体化できます(有償:¥50,000~)。