RPA + Excel の活用例(介護業)
RPAとExcelの組み合わせによる、業務改善例
訪問介護業における、作業報告、兼、勤怠登録
X社は、訪問介護業なので、従業員である介護士は毎日異なる目的地を訪問し、一定の作業をこなしています。
従来は、当日の作業予定表を紙で配付して巡回してもらい、全ての作業が終わってから作業報告書を記入していましたが、体力を消耗しつくした後に記入するのは相当の負担になっていたのに加え、何ヶ所も回った後に記入すると忘れていたり記憶違いが生じることもあります。
できるだけ、訪問直後に報告を書いてもらうようにしましたが、限られた時間で何ヶ所も回らなければならないことから、どうしても報告書の優先順位は下げざるを得ません。
iPad+Excelで業務改善を試行
そこで、iPadを各介護士に配布し、事前に翌日の訪問スケジュールを配布し、iPadで確認も報告書の登録もできるようにすることを検討しました。
しかし、アプリケーションの開発に相当のコストがかかること、今後それなりの頻度で変更が予想されること、どうせなら勤務時間の管理にも使いたい等新しいニーズが生じたことなどから、従前活用していたExcelを活用して、コストの低減と柔軟性を確保しようと考えました。
RPAとExcelの組み合わせ
ところで、Excelである程度高度な業務処理を行う場合、関数だけではたりず、マクロ(VBA)を使う事になります。
ところが、iPadやAndroidのタブレット・スマホでは、Excelのマクロが動きません。
そこで、Micorosort365のRPA機能(Power Automate)と組み合わせることで、iPadやAndroidタブレット・スマホで動作する登録機能と、その内容を蓄積するExcel、そしてその内容を修正・加工して給与計算ソフト用データに変換する部分はExcelマクロと分担させる方針としました。
Power Automate + Excelによるシステムの運用イメージ
各介護士は、自分用のiPadなどのタブレット・スマホを開いて、当日のスケジュールを確認し、予定時刻までに訪問先に行きます。予定されていた作業が終了後、その場で作業報告を記入します。このとき、キーボードを表示しての入力だと煩わしく、かといって端末がペン入力に対応しているとしても煩わしいことから、主な報告項目をプルダウンメニューから選べるようにしてあります。突発的な例外事項だけは、備考欄に詳細を記入できるようにしてあるので、それなりの表現力は持たせてあります。
そして、1日分これを繰り返すと、最初の訪問開始~最終訪問終了の時刻を活かして、そのまま勤務報告用データとして流用できます。
この間、本部側では、タブレット・スマホから入力された内容がほぼリアルタイムでExcel上に反映されてくるので、適宜次のアクションを要する場合の対応を図ります。
また、月単位で報告内容を締めた後、勤務時間としての補正が必要な場合に、Excelから直接数値の修正を行った後、給与計算用データにマクロで変換し、給与計算ソフトにファイルとして渡します。
効果:手軽なExcelマクロ処理を、iPad等のタブレット・スマホと連携
介護業界のように、社内の現場を回る人が利用するコンピュータ環境としては、ノートPCは大きすぎて不向きです。
そんなとき、MicrosoftのRPA、Power Automate (Desktop)とExcelマクロを組み合わせることで、Excelマクロが動かないタブレット・スマホとExcelマクロの処理を組合わせ、RPAだけではコストがかかる、柔軟性に課題が残るような場合に、低コストかつ柔軟性のある運用が可能となります。
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