事例紹介

【名著に学ぶ業務効率化】
失敗の本質 日本軍の組織論的研究 (野中郁次郎他著、1984年~)

組織論:40年のロングセラー「失敗の本質」にみる業務効率化の極意とは

80年経っても変わらない、日本的「失敗の本質」

初版が1984年に出て以来、40年近くもロングセラーを続けている、ビジネス書の古典とも言える「失敗の本質」には、日本の大組織がかつて実際に起こした失敗を基に、その原因を組織論(経営学の一分野)的な視点から分析しています。

かいつまんで言えば、当時日本最大の組織であった帝国陸軍が行った大失敗作戦について、その原因を現代の経営学の視点から掘り起こしている点が共感を呼ぶ、ということになります。内容については、賛否両論あるようですが、40年近くも売上を維持し続けていることには、敬意を払いたいものです。

その内容の1つに、「一度全力で作り上げてきたものは、状況が変わっても変更できなくなる」といった主旨のものがあります。

例えば「英霊達の尊い犠牲のもとに獲得した満州の地は、何があっても譲歩できない」という強い信念により一切の妥協ができなくなり、政治的に行き詰まった経緯が描かれています。

あれから80年経ちますが、現代版「大失敗作戦」が、同じような原因で繰り返されているようにも見えます。

 

「長年の取引先だから」「長年使ってきたシステムだから」

売上が長期低迷し、企業の屋台骨が揺らぐ状況になると、様々なものに聖域なしの見直しが入ります。その際、「昔からの取引先だから切れない」「この事業は操業以来の祖業だから辞めてはいけない」「もう少しで黒字化する市場だ」といった類いの理由による反対が出てきます。あと数ヶ月も放置しておけば、全社揃って倒産という危機になっても、こうした意見が強い場合が少なくありません。まさに、ビジネス版満州と言えましょう。

情報システムの世界は、ロジカルに分析をして結論が導かれることが多そうですが、一方で「長年使ってきたシステムだから、他への影響がある」という殺し文句があります。

この要素自体否定できませんが、だからといって何も変えなければ競合他社に負けてしまいます。かつて世界の最先端を走っていたかのように見えた金融業の多くが取り残されている現状を見るに付け、未だ60%近くがCOBOLを使っているというエピソードと共に、「デジタル版満州」を見ているようです。

 

そうは言っても日本的文化は尊重すべき

山本七平氏の「空気の研究」によれば、日本の文化の特徴に、根拠が無くても皆がある方向性の考え(=空気)になびき始めると、止めにくい事が書かれています。今でも「空気読めよ」などと言いますね。

ちなみに、対立概念は「水を差す」ですが、水と空気の対比が妙に納得できる名著です。

その理屈で行くと、「満州を守るために、1ミリたりとも譲歩してはならない」という空気が生まれると、それを否定することは事実上不可能です。

それならば、発想を変えて、「満州」には抵触しない、「わずかな時間・予算でできる別のこと」を提案するのはどうでしょうか?

 

業務効率化は簡単!?

「1,2割の業務効率化は大変だが、2倍なら簡単」

やれば簡単だが、やるまでが大変な業務効率化

パナソニックの創業者である松下幸之助は、「1,2割の業務効率化は大変だが、2倍にするのは容易だ」と言っています。その根拠は、「1,2割の改革なら今の延長で考えようとするが、大抵改善し尽くされているので、大きな改善は望めない。一方、2倍となると今の延長を捨てなければいけない。今のやり方にとらわれなければ、2倍以上の改革が実現できる」という主旨です。

実感としてもその通りで、当社がサービスとして提供する業務効率化も、実は今のやり方を全く参考にせず、情報システム的な発想で業務を組み立て直すから、2倍~10倍といった効率化が可能になります。

しかし、従来のやり方を大きく否定する要素が前面に出すぎると、かなりの確率で潰されてしまいます。すなわち、空気を読まずに水を差した結果、「今まで通りで十分」の理由探しが始まり、やがて大義名分と化してしまうのです。もはや、理屈ではありません。

逆に、抵触せずに「Excelだからすぐにできるし、低予算」という体で徐々に拡大する作戦をとると、規定事実として新しいしくみが定着することが多いのです。

 

発想を変えれば、既存のしくみも活用可能

Excelで新しく情報システムを作る場合、基になるデータを手入力していたのでは、仕事が逆に増えてしまいかねません。

そこで発想を転換し、既存のシステムからデータを取得(多くの場合、csv形式で取得できます)し、既存システムとは違った加工をすることにすれば、入力ミスもなくなり、仕事も楽になります。

また、こうした使い方なら、表だって反対されることはまずありま・・・そうそう、この時点で一番多い反論は、「Excelで情報システムを作るなんて、聞いたことがない」でした。

そんなときは、当社の事例ページや実際に導入戴いたお客様の声をご活用の上、惰性で改善を続ける方針(空気)に対して水を差してあげて下さい。